外壁が劣化してしまう原因とは?
今回は、外壁の劣化についてお話しさせて頂きます。
外壁が劣化してしまう原因はさまざまですが、主に劣化の原因となりやすい条件というものがあります。
これから、外壁が劣化してしまう原因をご紹介していきます。
1-1.紫外線や熱によるもの
外壁の塗膜表面が太陽光の紫外線や熱にさらされると、塗膜が分解して劣化の進行が早まります。
紫外線が当たりやすい南面は、北面と比較して早期に劣化事象が現れる傾向があります。
塗料の色褪せやチョーキング、コーキングの劣化などは紫外線の影響を多く受けるほど早まります。
1-2.雨や風によるもの
外壁は、常に雨や風にさらされることでダメージを受けやすくなります。
台風や強風によって雨が外壁に打ち付けられることで特に金属のトタンなどの外壁はさびなどの症状が起きてしまいます。
また、サイディングやコンクリート・モルタルなどの外壁も塗膜で保護していても酸性の雨によって少しづつ影響を受けます。
1-3.経年劣化(耐用年数)によるもの
建物や塗料には、耐用年数と呼ばれる経年劣化があります。
そして、建物に寿命がくれば、劣化の症状は必ず出てきてしまいます。
外壁が耐用年数を過ぎることで、ひび割れ・チョーキング現象などの症状があらわれてきます。
塗料の耐用年数による劣化
塗料の種類と耐用年数はそれぞれに異なります。
また、以下の数字は各メーカーの材料の配合比率によりバラバラなことがあるため、ご自身の使用する塗料メーカなどによって多少の違いが生じてしまいます。
もし今後、塗料メーカーをおおよそ決めていて、メーカーにきちんと問い合わせをしたい場合は、日本塗装工業会に各塗料メーカーのホームページに行けるリンク集がありますので、参考にしてみて下さい。
塗料の耐久性の目安をを覚えておいていただければ、外壁の塗膜劣化のタイミングも計りやすいと思います。 この中で、現在よく選ばれている塗料は「シリコン樹脂塗料」で、一般的には塗装業者の提案もシリコン塗料が多いようです。
建物の耐用年数による劣化
以下の数字は、国税庁にきちんと記載されてありますので信頼性があります。
建物の耐用年数は以下の通りとなります
外壁材 | 耐用年数 |
---|---|
木造 | 22年 |
木骨モルタル | 20年 |
鉄骨鉄筋・鉄筋コンクリート | 47年 |
レンガ造・石造・ブロック造 | 38年 |
金属造:4mm以上 | 38年 |
金属造:3㎜以上・4㎜以下 | 30年 |
金属造:3㎜以下 | 22年 |
ご自身の家の造り方で耐久力が変わりますので、一度家を建てた工務店や建設会社に確認してみることをおすすめします。
2. 外壁劣化の主な症状
外壁は劣化の症状がさまざまで、ご自身の建物には生じやすい劣化症状というものがあります。
劣化には主に下記のようなものがありますので、ご自身の家の状態と合わせてみてください。
2-1.外壁の変色による症状
塗料には、塗膜を守ってくれる樹脂が含有されていますが、長期間太陽などの紫外線に当たることによって樹脂の中に含まれている顔料が浮き出てきて劣化してしまいます。
紫外線が影響するということは、日当たりがいい場所から徐々に変色が進んで色あせてくることになります。
また、まれに塗装業者の使用している塗料が古かったとことで起きる変色もあります。
同じ製造タイミングの塗料であれば、日に当たる条件下の元、色あせなども全体で同時に起こるはずですが、古い塗料を使用している個所がある場合は塗料中の顔料が劣化している状態となりますので、部分的に早く色あせてしまう場合もあります。
上記のケースはまれですが、もしそのようなことになった場合は、施工業者に確認してみましょう。
2-2.チョーキングによる症状
塗料は樹脂に色素を混ぜ合わせたものです。
塗膜の表面が劣化して次第に樹脂が削れ、塗料の顔料が粉状になって表れる現象をチョーキングといいます。
外壁に触ると、チョークの粉の様なものが手に付くのが特徴で、色褪せと同時に発生します。
参考:外壁のチョーキング現象の原因とは?|放置の危険性と対策法
2-3.ひび割れによる症状
外壁に、髪の毛の細さ程度の(0.3㎜以下)ヘアークラックと呼ばれるひび割れや、0.3㎜以上の構造クラックと呼ばれる建物の防水性に危険性があるひび割れなどが起こる可能性がります。
ヘアークラック程度のひび割れなら、塗膜の経年劣化によって起きてしまっている可能性が高く、塗膜の柔軟性がなくなったことが原因となります。
構造クラックなどのひび割れは、建物の躯体と呼ばれる構造部にひびが起きている可能性があります。
また、地震などや交通量の多い面に建物が建設されている場合も、揺れや振動によりひびが起きてしまう可能性があります。
ヘアークラックならば塗膜までの劣化、構造クラックなら建物自体の劣化となり、構造クラックは放置することで雨漏りなどを引き起こしてしまうため早めの対策を考えることが必要です。
2-4.塗膜の浮き・剥がれによる症状
外壁の塗料が、紫外線などの刺激によって密着性が低下することで表面が膨れ上がってきてしまう症状です。
また、下地の塗料を塗装する際に、ごみなどの異物の撤去をおこたってしまうことで生じる浮きもあります。
基本的には、塗膜の耐久性が失われた経年劣化によるものか、業者がきちんとした塗装ルールを守らなかったことで起こる症状ですが、一般的には塗料の耐久性によるもののことが多いです。
2-5.コーキングの割れ・はがれによる症状
外壁には、建物の壁と壁の隙間である目地と呼ばれる部分に埋めるクッション材のような役割のあるゴム製の樹脂を使っています。
これを、コーキングまたはシーリングと呼び、家の隙間からの雨漏りを防いだり、隙間が空いた外壁同士がぶつかって割れたりするのを防いでいます。
このコーキングも、経年劣化によってひび割れを起こしてしまったり剥がれてきてしまうことがあります。
基本的に、コーキングの接着面は隣同士でつながっていますが、まれにコーキングを密着させるプライマーがしっかりと塗られていなかったり、コーキングの後ろ面を密着させないようにする絶縁テープが張られていなかったりなどで剥がれてしまうこともあります。
さらに、コーキングが十分に塗布されていないことによる肉やせという症状も、ひび割れの原因になってしまいます。
2-6.藻やコケによる症状
塗膜が劣化して防水性が低下すると、雨水が浸み込みやすくなるため、コケや藻が発生します。
主に、水分が乾燥しにくい日当たりの悪い北側の外壁や、風通しの悪い部分に多く見られます。
また、家の周辺が水の多い地域、池や川や田んぼや水田などがある場合も、コケは胞子を飛ばして水分をエサにする特性があるため、外壁に水分と胞子が付着して十分に乾燥できないことでコケが成長して見た目を劣化させてしまいます。
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